「超Chillなラッパー」から学んだ英語のリスニング力を伸ばすためのヒント
ご存知の方も多いかと思うのですが、少し前にTiktokでこんな動画がバズっていた。
もし、見たことがない方がいるのであれば、先に動画を見てから記事を読み進めてほしい。
これは「受験生辞めたい」という相談に対して、進路指導室での対応を回答している動画だ。
可愛い子が面白いことをするという、なんてことない数十秒の動画だが、僕はこの動画を通して英語のリスニング力を伸ばすためのヒントとなる体験をした。
まず簡単に僕の英語力について
僕は大学卒業後に2年間くらいバックパッカーとして海外一人旅をしていた。英語力は旅行するには困らないレベル。リスニング苦手。とことん聞き取れない。聞き取れないので、相手の理解力に任せて話しまくることで、なんとかコミュニケーションを取ってきた。
そして、この「超Chillなラッパー」と「英語のリスニング」に何の関係があるのか?と思うかもしれないが、動画を見た時にした”ある体験”にヒントになる要素が含まれていると感じた。
最初は、何と言っているか分からなかった。
僕は初めて「超Chillなラッパー」の動画を見た時、何と言っているか分からなかった。
何回も繰り返し見たが、何度見てもコメント欄を見るまで正解には辿り着かなかった。
1回目「えー?あーしの夢っすかー。ちょう、$#@%&×÷⁈⁉ぱー?」
2回目「えー?あーしの夢っすかー。超ちる、$#@%&ぱー?」
3回目「えー?あーしの夢っすかー。超チルなら、%&ぱー?」
僕:「?????」
それから何回か見たが「超チルなら、パー!」にしか聞こえず、正解は分からなかった。
そして、コメント欄を開いてみると「超Chillなラッパー」と言っているというコメントを発見。
なんと言っているのか知ってから、もう一度見てみると確かに「超Chillなラッパー」と言っている。
むしろ、答えを知ってしまったら「超Chillなラッパー」にしか聞こえない。
この時にふと英語のリスニング力を伸ばすためのヒントを見つけた。
なぜ、「超Chillなラッパー」が聞き取れなかったのか?
僕はたった10文字の日本語が聞き取れなかった。
26年間、母国語として使用してきた日本語が聞き取れないというのは不思議な体験だった。
英語のリスニング力の話をする前になぜ超Chillなラッパーが聞き取れなかったのか?
1.聞き慣れない「超Chill」という単語
まず、文頭の「超Chill」という言葉に馴染みがなさすぎた。
Chillという言葉は知っているが、超Chillなんて使ったことがなかった。
文の始まりから頭の中に「?」を残した状態でスタートするので、その後の処理能力が落ちたのだろう。
もっというと、「あーしの夢っすかー」で思考が停止していたのかもしれない。
2.文章の区切りが特殊
2つ目は文章の区切りの位置が特殊だったこと。
動画を見れば分かるが、「超Chillなラッパー」の区切りは、「超Chillなラッ、パー」と「ラッ」で溜めが入り、「パー」だけ独立した形で発音される。
そのため、「超Chillなら....」と「〇〇なら」と言っていると思い込んでしまったことも、理解を妨げた原因である。
たった十数文字なのに、罠が多い高度な文章だったのだ。
「超Chillなラッパー」から学んだ英語学習に役立つヒント
この「超Chillなラッパー」の体験から学べる英語のリスニングで役立つヒントが2つある。
- 何を言っているかを知っているだけで聞き取れるようになるということ。
- イントネーションや文章の区切りを間違えると伝わらない可能性がある。
基本的なことだか、英語に苦手意識がある人や僕みたいにリスニングが苦手という人はこの2つを理解することで、リスニング勉強をスムーズに進められるかもしれないと思った。
1.知っているだけで聞き取れるようになるということ。
「超Chillなラッパー」は日本語とはいえ、僕は何度が聞いても聞き取れなかった。
では、どうしたら聞き取れるようになったのか?というと、コメント欄を見て「超Chillなラッパー」と言っていると知っただけ。
コメント欄を見る前と見た後の数十秒で僕の耳の力が上がるとは考えづらい。
ということは、「ただ知っただけ」で聞き取れるようになったのである。
このことから、英語が聞き取れないのは「ただ知らないだけ」という可能性が考えられる。
単語や文法はもちろんのこと、前後の単語を連結して発音するリンキングや複数の単語を組み合わせて別の意味を表すイディオムなどのバリエーションを知らないことが「聞き取れない」原因だと言える。
2.イントネーションや文章の区切りを間違えると伝わらない可能性がある。
「超Chillなラッパー」が聞き取れなかった罠はラッパーが、「ラッ」と「パー」で別れて発音されていたことも大きい。
日本語のネイティブである僕が日本語に馴染んだたった3文字の単語を分割されただけで聞き取れなくなった。
ということは、英語ネイティブと話す時は単語を間違った場所で区切ると伝わらなくなる可能性が高まるということだ。
文法や発音は気にしなくていいからどんどん喋った方が上達するというのは確かだが、どこにアクセントを置いて、単語を分割しないという点は気をつけた方が良さそうだ。
「ペラペラ」の英語を意味のある言葉として理解するために。
よくネイティブの英語や英語が上手な人のことを指して、「ペラペラ話す」と言うことがある。
日本語の擬音は難しいのだが、この「ペラペラ」という表現にはスムーズに話すという意味と、同時に音は理解できるが内容は理解できない状況を表しているようにも思う。
そんな「ペラペラ」に聞こえている英語を意味のある言葉として理解できるようになるためには、「超Chillなラッパー」で学んだ「知っていれば聞き取れる」と意識して勉強するといい。
単語を覚えることも怠ってはいけないが、よく使うフレーズの意味を覚えておくと、聞き取れないを解決できる。
英語に限らず学習ではアウトプットが大切というが、英語が「聞き取れない」という問題に関しては適切な量のインプットがされているかを確認する必要がある。
どんなにゆっくり丁寧に話してもらっても、単語や文法が分からなかったら理解できるはずがない。
そのため、よく否定されがちな単語や文法の勉強も無駄ではないということである。
知っていれば聞き取れる可能性が高まるということを改めて理解したことで、途方もなく思えていたリスニングへの学習意欲が復活した。
今回Tiktokでバズっていた「超Chillなラッパー」の動画を見て、聞き取れないものが、内容を知るだけで聞き取れるようになるという不思議な体験をしたので、英語学習のメモとしてまとめておくことにした。
ちなみに、「えー?あーしの夢っすかー?超Chillなラッパー」は英語にすると、「Whattttt? Is it my dream? Super chill rapper.」ですかね...。